開発者向けONLYOFFICE Docs 9.0：APIの更新

最新版リリースのONLYOFFICE Docsがリリースされました。機能強化、カスタマイズ性向上、パフォーマンス改善などを中心に、開発者・インテグレーター向けのAPIも大幅に拡充されています。以下で詳細をご確認ください。

ダイアグラムビューア

ウェブ、デスクトップ、モバイルウェブで利用できる新機能Diagram Viewerが追加されました。サードパーティアプリ不要でダイアグラムファイルを開けます。

APIでの設定：diagramドキュメントタイプをdocumentTypeパラメータに追加。

対応ファイル形式の拡充

バージョン9.0ではMarkdown（.md）およびOpenDocument Graphic（.odg）ファイルの閲覧が可能になりました。

APIでの設定：md・odgを開く設定を追加。

さらにDiagram Viewerの登場に伴い、vsdm／vsdx／vssm／vssx／vstm／vstx形式への変換もサポートしています。APIリファレンスをご覧ください。

カスタマイズオプションの強化

バージョン9.0ではUIテーマやフォント設定など、エンドユーザー向けのカスタマイズ性がさらに向上しました。

新UIテーマ

「モダンライト」と「モダンダーク」の2つのテーマを追加。

APIでの設定：theme-whiteおよびtheme-nightテーマIDをeditorConfig.customization.uiThemeに追加。

const config = {
  editorConfig: {
    customization: {
      uiTheme: "theme-white",
      …
    }
  }
};

簡体字中国語UI向けフォントサイズ選択

西欧フォントと繁体字フォントを切り替え可能に。

APIでの設定：editorConfig.customization.forceWesternFontSize（デフォルト：false）

const config = {
  editorConfig: {
    customization: {
      forceWesternFontSize: false,
      …
    }
  }
};

ユーザーアバター非表示

ヘッダーのユーザーアバターを非表示にして、よりシンプルなインターフェースを実現。

APIでの設定：editorConfig.customization.layout.header.user（デフォルト：true）

const config = {
  editorConfig: {
    customization: {
      layout: {
        header: {
          user: true,
          …
        }
      }
    }
  }
};

プリロードによるパフォーマンス向上

静的アセット（HTML、CSS、JS、フォント）を事前にブラウザキャッシュへ読み込むことで、初回のドキュメントエディター起動を高速化できます。APIリファレンス

1) ?preload=placeholder パラメータ利用
<div id="placeholder"></div>
<script src="https://documentserver/web-apps/apps/api/documents/api.js?preload=placeholder"></script>

2) プリロード用 iframe の挿入
<iframe src="https://documentserver/web-apps/apps/api/documents/preload.html" style="display:none;"></iframe>

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プラグイン＆マクロ向けAPI強化

コンテンツコントロール用カスタムボタン

Asc.ButtonContentControlクラスを使い、自作アイコン付きボタンをメソッドattachOnClickで実装可能。APIリファレンス

(function(window){
  window.Asc.plugin.init = function() {
    let btn = new Asc.ButtonContentControl();
    btn.icons = '/resources/check%scale%(default).png';
    btn.attachOnClick(id => Asc.plugin.executeMethod("RemoveContentControl", [id]));
    …
  }
})(window);

スライド移動（GoToSlide）

プレゼンテーション内で任意のスライドにジャンプ。

expression.GoToSlide(slideNumber);

ContentControlListElement 列挙型

ドキュメント内のコンテンツコントロール管理がさらに簡単に。

非同期計算対応カスタム関数

マクロで定義したカスタム関数内でfetchなどの非同期処理が可能に。例：World Bank APIから人口取得

async function WB(country, indicator, year) {
  const url = `https://api.worldbank.org/v2/country/${country}/indicator/${indicator}?format=json&per_page=20000`;
  try {
    const res = await fetch(url);
    const [meta, data] = await res.json();
    const row = data.find(v => v.date === year.toString());
    return row?.value ?? "#N/A";
  } catch {
    return "#ERROR";
  }
}
Api.AddCustomFunction(WB);

新サンプル追加

Document Builder サンプル

• ユーザーフィードバックレポート生成
• 注文データから請求書生成
• 雇用契約書生成

マクロサンプル

• PDF画像リサイズフォーム
• コンテンツコントロールリスト作成

すべてのマクロサンプルを見る

Office JavaScript API の追加メソッド

バージョン9.0ではContent Controls、Custom XML、Forms、Custom Properties、Core、Range、Drawing、Presentation、Notes page向けなど、多数の新メソッドが追加されました。新メソッド一覧